お墓じまいの法要2 「開眼供養(魂入れ)」とは?
“お墓じまい”と聞くと、古いお墓を処分することだけをイメージする方が多いようです。
しかし実際は、古いお墓をしまい(お墓じまいをして)、新しいご供養にカタチを変えることがお墓じまいです。よく聞く例としては、家の近所に新しいお墓を購入したり、永代供養墓に合祀したりといったケースです。また最近では、手元供養でシンプルなお仏壇をご自宅に安置するなど、皆さんご供養のカタチを変えて、手合わせされています。
新しくお墓やお仏壇を用意した際、必要になる仏事に、「開眼供養(かいげんくよう)」があります(別名で、「魂入れ」や「入魂式」などとも呼びます)。これは、ただの物であるお墓やお仏壇などに、ご先祖様や故人様の魂を入れ、礼拝の対象とするための儀式です。
(お墓じまいの際に行う、「閉眼供養」とは逆の意味を持ちます。(「閉眼供養」について詳しくは、こちら))
今回は、この「開眼供養」について、そのタイミングや流れについてご紹介します。
「開眼供養」のタイミング
一般的には、古いお墓などをしまい、新しいお墓やお仏壇などを購入した際に行われます。ここでは、その代表例をみてみましょう。
新しいお墓を建てるとき
新しくお墓を購入した場合には、「開眼供養」が必要になります。
最近はお墓じまいの影響から、ご購入されるお墓のタイプはさまざまです。一般的には、永代供養つきの個人型や、納骨堂型、合祀型などが挙げられます。ただし、合祀墓については「開眼供養」を行わないかわりに、定期的に供養祭などを行っているところもあります。
なお、自然葬型の場合は、「開眼供養」は必ずしも必要ではありません。しかし、故人様やご家族が希望すれば、法要を行っても良いとされています。管理者によっても異なるため、ご希望の際は、ご寺院や霊園などに相談してみましょう。
お仏壇を新しくするとき
新しいお仏壇を購入した際も、必ず「開眼供養」を行いましょう。
最近増えているのが、ご事情があってすぐにお墓に納骨できない場合や、お墓の改葬も、新しいお墓のご購入もせずに、手元供養をするケースです。そうした場合、礼拝の対象として、小さなお仏壇を購入される方が多いです。
また、お墓じまいに関係がなくても、お仏壇を買いなおす際や、引っ越しによって移動させた際などにも、「開眼供養」を行います。
お位牌を新しくするとき
古いお位牌を新しく作りなおす場合も、「開眼供養」を行います。お位牌にも故人様の魂を入れて、礼拝の対象としてもらいましょう。
また、故人様が亡くなった後、四十九日の法要で安置される本位牌についても、同様です。一般的にはその際に僧侶が読経を行い、白木のお位牌を「閉眼供養」した後、本位牌にかえられます。
なお、「開眼供養」を行う時期に、決まりはありません。新しい仏のために建てたお墓であれば、四十九日か一周忌などの際、納骨式とあわせて行う場合が多いでしょう。ご寺院や霊園、ご家族などで相談し、適切な時期をご判断ください。
※地域や宗派によっても「開眼供養」の有無が異なります。ご寺院や霊園などに相談してみましょう。
「開眼供養」の準備と流れ
ここでは、新しくお墓を建てた場合に行う、「開眼供養」の流れをみてみましょう。
1:施主や日時の決定
法要の主宰者を決めます。一般的には墓地の使用権所有者が務めます。
ある程度の希望日時を定めたら、菩提寺や霊園などへ連絡をして、僧侶の手配をします。その際、必要に応じて、石材店へも連絡を入れます。
また、法要後の会食の有無や場所も決めておきましょう。
2:参列者への連絡と引き物の手配
法要に誰を招くかなど、決まりはありません。親族の間で相談しましょう。参列者へは早めに連絡をして、出欠を確認します。
大体の人数が把握できたら、当日、参列者へ配る手土産を用意します。表書きは祝儀か不祝儀か異なるため、注意しましょう。生前にお墓を建てた場合は、おめでたいことになりますが、身内に不幸があり、新しい仏のために建てたお墓なら、不祝儀になります。
3:墓地の準備
お墓とその周りを掃除し、きれいにしておきます。あらかじめご寺院や石材店と相談をし、祭壇や法具など、借りる必要があれば手配をします。供花やお供え物なども用意しておきましょう。
4:僧侶などへの謝礼の用意
読経のお礼となる「お布施」を用意します。額に決まりはありませんが、大体3万円~が相場といわれています。
また、僧侶にお墓まで出向いてもらう場合は、「御車代」を包みます。1万円程度が目安でしょう。なお、法要後に会食があり、僧侶が参列しない場合は、「御膳料」を包みます。こちらは、5千円~が目安といわれています。
費用を包む袋については、2で述べた通り、祝儀か不祝儀かを念頭におき、選びましょう。いずれも地域のしきたりやご寺院との付き合いなどによって、費用は異なります。
5:「開眼供養」を行う
当日に法要を行います。
服装については、故人様が亡くなった後の法要の場合は、地味な平服や喪服にします。納骨式や一周忌などの場合は、喪服にしましょう。生前にお墓を建てた場合は、略礼服(フォーマルな平服)を着用します。いずれも派手なアクセサリーなどは控え、女性は夏でも素足などは避けましょう。いずれも開催前に、服装なども含め、施主に確認しておくと、スムーズです。
※宗派や地域によって、ご供養の内容や詳細、費用などは異なります。詳しくは菩提寺や霊園などにお問い合わせください。
※ご自宅にてお仏壇やお位牌の開眼供養を行う場合は、準備や流れなどが異なる部分がございます。
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